M4カブリオレで行く「桜ラリー」:滋賀と能登、600kmの春を求めて

​M4カブリオレで滋賀から能登へ、桜を求めて600km弱を走ってきました。M2(G87)やロードスター、A110といった性格の異なる車たちとの比較から、この車の第一印象を。


​1. 乗り心地:M2の「鋭さ」から「角の丸い硬さ」へ

​足回りの質感は、以前のM2(G87)とは明確に異なります。

  • M2との比較: 路面状況をすべて鋭く伝えてきたM2は、常に車体がシェイクされているような感覚がありました。対してM4は、オープンボディ特有の適度な「緩さ」が良い方向に作用しているのか、硬いながらも角の取れたマイルドな乗り味です。

  • 街乗りでの許容範囲: この「角の丸さ」のおかげで、市街地走行も十分にこなせます。ロードスターやA110のような軽量スポーツカーとは方向性が全く違うため、単純な比較は難しいですが、重厚さとある程度の快適さを備えたM4の乗り心地は、GTカーとしての資質を十分に感じさせるものです。

​2. クローズ時の静粛性:透過音の少なさに驚く

​屋根を閉めた状態の遮音性能は、ソフトトップの概念を覆すものでした。クーペのM4との直接比較ではありませんが、一般的なハードルーフの車と比べても特段劣る印象はありません。

特にトンネル内で感じたのですが、ルーフからの​透過音に関しては、M2のカーボンルーフよりもむしろ抑えられている印象です。もちろんスポーツタイヤが発するロードノイズは相応に入ってきますが、それはMモデルの対価として許容できる範囲。この静粛性があればこそ、600kmという長距離でも耳が疲れず、ドライブに集中できます。

​3. オープン時の環境:ネック・ウォーマーの有用性

​春先のオープン走行では、コクピットの広さが温度管理に影響します。

  • 「コタツ感」の不在: タイトなロードスターは優れた空調設計のおかげもあり足元に熱がこもり、下半身が包み込まれる「コタツ」のような暖かさがありました。M4は開口部が広く空間も大きいため、どうしても足元や腰下の暖房が逃げやすくなります。

  • ネック・ウォーマーの恩恵: その不足を補うのが首元の温風エアー(とステアリング・ヒーター)です。これが非常に効果的で、下半身の冷えを首元の熱で相殺することで、この季節でも快適なオープン走行を可能にしています。

​4. 航続距離:ワンタンクで走り切る合理性

​最後に、S58エンジンの効率性にも触れておきます。

走行距離600km弱を、無給油(ワンタンク)で完遂。

燃費はリッター10kmを超える勢いであり、500馬力オーバーの巨体ながら、ロングツーリングにおける実用性は期待を大きく上回るものでした。


結論

​M2ほどの過激なシェイクはなく、ロードスターのクローズ時のようなノイズの疲れもない。

軽量スポーツカーのひらひら感とは無縁ですが、どこまでも快適に、かつ濃密に駆け抜けられるM4カブリオレは、極めて完成度の高い長距離移動マシンであると確信しました。

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