Alpine A110を選ぶということ ──使い切れるスポーツカーを探して #003 なぜGTなのか

 ──A110の思想を、いちばん素直に味わえるから

Alpine A110の後期モデルでは、
300ps/340Nmの高出力エンジンが

  • GT

  • S

  • R

すべてに共通して搭載されています。
つまり、GTはパワー面で一切の妥協がありません

違いは、足回りとキャラクターの作り方にあります。


ベーシックな足回り × ハイパワーエンジン

GTだけの組み合わせ

後期A110のシャシー構成を整理すると、

  • GT
     → ベースモデルと同じアルピーヌシャシー

  • S / GTS
     → より引き締めたシャシースポール

となります。

ここで重要なのは、
ベーシックな足回りに、最も高性能なエンジンを組み合わせたモデルはGTしかない
という点です。

GTは中間グレードではありません。
思想として、明確に独立しています。


なぜ「ベーシックな足回り」なのか

アルピーヌシャシーは、

  • ストロークをしっかり使い

  • 路面の入力を丸め

  • 軽量車らしい自然なロールを許容する

そうした軽さを前提に設計された足回りです。

M2で感じていたのは、

  • 常に緊張を強いられる硬さ

  • 正確だが余白のない挙動

  • 速いけれど、気軽ではない距離感

でした。

A110に求めているのは、
限界性能ではなく、速度域の低いところから成立する楽しさ
だから、シャシースポールではなく、
アルピーヌシャシーを選びます。


なぜ「ハイパワー版エンジン」なのか

一方で、エンジンは妥協しません。

  • 軽い車体に300ps/340Nm

  • 回さなくても余裕のあるトルク

  • 一般道でこそ効くパワー感

これは「使い切れない」のではなく、
常に余裕があるという感覚を生みます。

足回りは穏やかに、
エンジンは余力たっぷり。

このアンバランスに見える組み合わせこそ、
GTがいちばんA110らしい理由です。


ベースモデルではダメなのか

足回りの思想だけで言えば、
正直、ベースモデルでも十分だと思います。

ただし現実には、

  • 出物が非常に少ない

  • 年式・色・仕様を選ぶ余地がほぼない

という問題があります。

結果として、
「選べる状態で存在する」のはGTになる、
というのが実情です。


GTSを選ばない理由

──性能ではなく、内装の方向性

2025年から追加されたGTSは、
GTとSを統合したモデルで、性能的には非常に魅力的です。

GTSのシートは本革ですが、

  • ダッシュボード

  • ドアトリムなど内装の一部

スエード(アルカンターラ)調素材が組み合わされます。

これが、個人的にはどうしても好きになれませんでした。


最後は、理屈ではなく「触れたいかどうか」

決定打は、とても単純です。

GTの内装には、

  • キルティングされた革のモチーフ

  • 外装色と組み合わせられたドアトリム

があります。

これに、素直に惹かれました。

ドアを開けた瞬間、
シートに座った瞬間、
毎回ここに触れたいと思えるかどうか

GTSは少し戦うクルマの文脈が残っている。
GTは、軽さと余裕、そして色気が同居している。


結論

──GTは、A110の「思想の中心」

  • ベーシックな足回り

  • 余裕のある高出力エンジン

  • 落ち着きと色気のある内装

この3点が同時に成立するのは、GTだけです。

GTは妥協の産物ではありません。
A110というクルマの思想を、いちばん素直な形で味わえるモデルです。

だから私は、GTを選びました。

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